「急な出費や老後資金のためにまとまったお金が必要になった。でも、長年住み慣れた我が家を手放したくない…」 「子どもの転校や近所の目を考えると引っ越しは避けたいけれど、家を活用して資金繰りを改善する方法はないだろうか?」
このような悩みを抱えている方は決して少なくありません。
多くの方は「持ち家から資金を作る=家を完全に売却して引っ越す」と考えがちですが、実はその必要はありません。持ち家という強固な資産があれば、所有権を維持したまま、あるいは自宅に住み続けたまま資金を調達する選択肢が数多く存在します。
本記事では、家を手放さずに資金調達する全7つの手法について、それぞれの仕組みや金利・相場目安、メリット・デメリットを網羅して徹底比較します。
「借りる」「運用して稼ぐ」「住みながら換金する」という3つのアプローチから、ご自身の年齢や必要な金額、リスク許容度に合わせた最適な解決策が必ず見つかります。ぜひ最後までチェックして、後悔のない選択に役立ててください。
【結論】家を売らずに資金調達する7つの方法一覧
「まとまったお金が必要になったが、住み慣れた自宅を手放したくない」
「子どもの校区を変えたくないし、近所に資金繰りを心配されたくない」
持ち家を所有している場合、必ずしも家を完全に売却(手放す)する必要はありません。持ち家の所有権を維持したまま、あるいは自宅に住み続けたまま資金を調達する手法は、大きく分けて「融資を受ける(借りる)」「資産を運用する(稼ぐ)」「住みながら換金する(リースバック)」の3つのアプローチ・全7種類が存在します。
資金調達手法の全体像
- 不動産担保ローン(自宅を担保にした低金利・高額融資)
- リバースモーゲージ(シニア向け・毎月の支払いは利息のみ)
- 住宅ローンの借換・増額融資(低金利な住宅ローン枠の再活用)
- 持ち家の完全賃貸化(第三者へ貸し出して毎月家賃収入を得る)
- 定期借家契約による一時貸し(転勤・一時不在時の期間限定賃貸)
- スペースシェア・駐車場活用(akippa等)(自宅の空きスペースで手軽に稼ぐ)
- リースバック(所有権は移るが引越さずに住み続ける)
資金調達手法の徹底比較表
各手法の「所有権」「手元に入る金額規模」「毎月の負担」「現金化スピード」を一覧で比較しました。自身の状況に合わせて最適な手法を絞り込む際の参考にしてください。
| 手法 | 所有権 | 現金化の規模 | 毎月の負担 | スピード | おすすめの対象・利用シーン |
| 不動産担保ローン | 残る | 大(数百万〜数千万円) | 返済(元金+利息) | 約1〜2週間 | 資金使途が自由で、まとまった高額資金を今すぐ準備したい人 |
| リバースモーゲージ | 残る | 中〜大(毎月/一括) | 返済(利息のみ) | 約2週間〜1ヶ月 | 50〜60代以上で老後資金・医療費・リフォーム費用を作りたい人 |
| 住宅ローン借換・増額 | 残る | 中〜大 | 返済(元金+利息) | 約2週間〜1ヶ月 | 自宅のリフォームや他社ローンのまとめ、金利引き下げを狙う人 |
| 完全賃貸化 | 残る | 中(毎月の家賃収入) | 管理費・修繕費等 | 約1〜2ヶ月 | 別の住まいがあり、資産を手放さずに長期的な収入を得たい人 |
| 定期借家(一時貸し) | 残る | 中(期間限定の家賃) | 管理費・修繕費等 | 約1〜2ヶ月 | 転勤や一時的な不在の間だけ自宅を有効活用したい人 |
| スペースシェア活用 | 残る | 小(月数千〜数万円) | なし(手数料のみ) | 最短即日〜数日 | 庭や空き駐車場があり、初期費用なし・ノーリスクで稼ぎたい人 |
| リースバック | なくなる | 大(売却一括金) | 家賃の支払い | 約2週間〜1ヶ月 | 引越しは拒否したいが売却益でまとまった一括金を得たい人 |
各手法の仕組み・メリット・デメリット詳細
① 不動産担保ローン(所有権を残して高額調達)
自宅(不動産)に金融機関が「抵当権」を設定し、それを担保にして資金を借り入れる方法です。
- 特徴・金利目安: 年1.5%〜9.0%程度。無担保カードローン(年10%〜18%)に比べて圧倒的な低金利で借り入れが可能です。
- メリット:
- 所有権は自分のまま維持できる。
- 担保価値に応じて数千万円〜数億円単位の高額融資が可能。
- 返済期間を最長20〜30年と長く設定できるため、毎月の返済額を抑えられる。
- 資金使途が原則自由(事業資金、教育費、他社借入の一本化など)。
- デメリット:
- 返済が滞った場合、担保に入れた自宅が競売にかけられるリスクがある。
- 事務手数料や印紙代、抵当権設定登記費用などの諸費用(数万円〜数十万円)がかかる。
② リバースモーゲージ(シニア世代向け・毎月の返済軽減)
主に50代・60代以上のシニア層を対象とした、自宅を担保にした公的・民間の融資制度です。
- 特徴: 生きている間は「利息のみ」を毎月支払い、契約者が亡くなった後に相続人が自宅を売却して元金を一括清算します。
- メリット:
- 毎月の返済額が利息のみのため、年金暮らしでも負担が極めて軽い。
- 住み慣れた自宅に死ぬまで住み続けることができる。
- 融資枠から年金形式(毎月受取)で生活費を補填することが可能。
- デメリット:
- 主に戸建てが対象(マンションは担保評価が出にくく対象外となるケースが多い)。
- 金利上昇リスクや地価下落リスクがある(評価額が下がると融資上限が減額される場合がある)。
- 子どもなどの推定相続人全員の同意が必要。
③ 住宅ローンの借換・増額融資(低金利枠の再活用)
現在借りている住宅ローンを他社へ借り換える際、既存のローン残高に「リフォーム費用」や「諸費用」を上乗せして増額融資を受ける方法です。
- メリット: 最も金利が低い「住宅ローン金利(年0.5%〜2.0%程度)」が適用されるため、借入コストを極限まで抑えられます。
- デメリット: 資金使途が「住宅のリフォームや修繕」などに限定されることが多く、生活費や事業資金には使えません。また、厳密な審査が必要です。
④ 持ち家の完全賃貸化・定期借家(不動産運用)
自宅を第三者に貸し出して賃貸収入(家賃)を得るアプローチです。
- 完全賃貸化: 別の住まい(賃貸や実家など)へ移り、自宅全体をファミリー向け賃貸として貸し出します。安定した継続収入が得られる反面、空室リスクや修繕義務が発生します。
- 定期借家契約: 転勤などで2〜3年間だけ家を空ける際、期間を限定して貸し出す方法です。契約期間が終われば確実に自宅に戻ってくることができます。
⑤ スペースシェア・駐車場活用(ノーリスクで小額調達)
自宅の空いているスペースを貸し出し、シェアリングサービス(akippa、特P、モノオクなど)を通じて収益化します。
- 駐車場シェア: 使っていない駐車スペースや庭を、コインパーキングのように1日単位・時間単位でドライバーへ貸し出します。
- 物置シェア(モノオク等): 使っていない空き部屋や倉庫を、近所の人や個人の荷物保管場所として貸し出します。
- メリット: 初期費用・登録費用が無料でリスクがゼロ。月数千円〜数万円の現金が手に入ります。
⑥ リースバック(所有権は手放すがそのまま住み続ける)
不動産会社等に自宅を売却して一括で現金を受け取り、直ちに賃貸借契約を結んで家賃を払いながら同じ家に住み続ける手法です。
- メリット: 引越し作業や仮住まいの探す手間が一切不要。近所に売却したことも分かりません。
- デメリット: 所有権が買主(不動産会社)に移ります。また、売却価格は市場相場の7割〜8割程度となり、売却後は毎月の「家賃」が発生します。


4. 【よくある質問】家を売らずに資金調達する際のQ&A
Q1. 住宅ローンがまだ残っている状態でも不動産担保ローンは使えますか?
A. 利用できる場合がありますが、ハードルは高くなります。
金融機関は一番最初に抵当権を設定した会社(1番設定)を優先するため、住宅ローン残高が多い場合、2番手での担保設定を認めてくれるノンバンク系の不動産担保ローン等に限られるケースがあります。アンダーローン(住宅ローン残高よりも家の市場価値の方が高い状態)であれば可能性は十分にあります。
Q2. 家族や近所にバレずに資金調達できる方法はありますか?
A. 「不動産担保ローン」や「リースバック」なら非公開で手続きが可能です。
通常の不動産売却のようにポータルサイトへ掲載したり、チラシを配ったりする「販売活動」が発生しないため、周囲に知られることなく資金調達が完了します。
Q3. 税金面で注意すべきポイントはありますか?
A. 「融資(借入)」の場合は非課税ですが、「賃貸化」や「リースバック」は課税対象になります。
不動産担保ローンやリバースモーゲージでお金を借りた場合、借り入れ自体に所得税はかかりません。一方で、家を貸して得た「家賃収入」は不動産所得として確定申告が必要です。また、リースバックで売却益(譲渡所得)が出た場合は譲渡所得税の対象となります。
【状況別】あなたに最適な資金調達方法のフローチャート
ご自身の優先事項に合わせて、以下の基準で判断しましょう。
- 今すぐ(数日〜2週間以内)に数百万〜数千万円の一括資金が必要👉 「不動産担保ローン」(所有権を残す) または 「リースバック」(引越さない)
- 60代以上で、老後の生活費や医療費を毎月補填したい👉 「リバースモーゲージ」
- 借金(返済義務)を負わずに、毎月数万円のプラス収入が欲しい👉 「駐車場シェア・スペース活用」
- 自宅のリフォーム費用や修繕費用を作りたい👉 「住宅ローンの借換・増額」
まとめ
「急なお金が必要=家を売る」と焦って結論を出す必要はありません。
持ち家という強固な資産があれば、所有権を残したまま「不動産担保ローン」や「リバースモーゲージ」で融資を受ける、あるいは「空間シェア」や「賃貸化」で不労所得を作るといった柔軟な選択が可能です。
まずは「必要とする金額」「期限」「毎月の返済・支払い能力」を冷静に整理し、ご自身とご家族にとって最もリスクの少ない方法を選んでみてくださいね。
