家を売りたくないけどお金が必要なときの対処法とは?売らずに資金を作る6つの方法

「まとまったお金が必要だけれど、住み慣れた家は絶対に手放したくない」——そんな悩みを抱える方は少なくありません。老後資金の不安、急な医療費、事業資金の調達など、資金が必要になる理由はさまざまですが、「売る」以外にも自宅を活用してお金を作る方法はいくつも存在します。

この記事では、家を売らずに資金を確保する具体的な方法と、それぞれのメリット・デメリット、注意点まで、実務的な視点で整理して解説します。

目次

なぜ「売りたくないけどお金が必要」という状況になるのか

自宅を売りたくない理由には、次のようなものが挙げられます。

  • 住み慣れた家や地域、近所付き合いを失いたくない
  • 子どもや孫に家を残したいという思いがある
  • 一度売却すると取り戻せないという不安がある
  • 引っ越しや新しい住まい探しの負担を避けたい

こうした理由から「売らずに資金を確保したい」というニーズが生まれます。幸い、自宅を担保にしたり、一部を活用したりすることで、所有権を維持したまま資金を得る方法はいくつも用意されています。

家を売らずに資金を作る方法

「手元にまとまった資金が必要だが、住み慣れた自宅を手放したくない」という場合、不動産を完全に売却する以外にも自宅の資産価値を活用して資金を調達する方法が存在します。

代表的な手法として、自宅を担保に融資を受ける「リバースモーゲージ」や「不動産担保ローン」、自宅の空き部屋や敷地を活用して継続的な収入を得る「活用・賃貸化」などが挙げられます。それぞれの仕組みや特徴を理解し、目的に合った選択をすることが大切です。

リバースモーゲージ

自宅を担保に金融機関から融資を受け、契約者が亡くなった後に自宅を売却して一括返済する仕組みです。存命中は自宅に住み続けながら資金を調達でき、月々の支払いは基本的に利息のみで済む点が大きな特徴です。

メリット

  • 自宅を売却せず、所有権を維持したまま資金を得られる
  • 月々の返済負担が利息のみで済むケースが多い
  • 老後資金やリフォーム資金など、幅広い用途に使える(事業・投資目的は除く)

デメリット

  • 融資限度額は担保評価額の5〜8割程度にとどまる
  • 対象年齢や物件の条件(エリア・築年数など)が金融機関ごとに定められている
  • 変動金利の場合、金利上昇によって返済額が増えるリスクがある
  • 存命中に融資限度額に達すると、追加の借り入れができなくなる可能性がある

主に60歳以上のシニア層を対象とした商品が多く、老後資金の確保を目的に活用されることが一般的です。

不動産担保ローン

自宅などの不動産を担保に、金融機関から融資を受ける方法です。リバースモーゲージとは異なり、契約期間中に元金と利息を返済していく通常のローンに近い仕組みです。

メリット

  • 年齢制限がリバースモーゲージより緩やかな場合が多く、幅広い年代で利用できる
  • 資金使途の自由度が高い商品もある
  • 無担保ローンよりも低い金利で借りられる傾向がある

デメリット

  • 元金と利息を毎月返済する必要があり、月々の負担はリバースモーゲージより大きくなりやすい
  • 個人が自宅を担保にする場合、年収の3分の1を超える借り入れができない「総量規制」の対象になることがある
  • 返済が滞ると、担保となっている自宅を失うリスクがある

「毎月一定額を返済していく体力がある」という方には、不動産担保ローンのほうが適している場合があります。

自宅の一部を賃貸に出す

戸建てや二世帯住宅、空き部屋がある場合、自宅の一部を賃貸に出して家賃収入を得るという方法もあります。所有権を維持したまま、継続的な収入源を作れる点が特徴です。

メリット

  • 所有権を維持したまま、毎月の収入を得られる
  • 空いているスペースを有効活用できる

デメリット

  • 入居者とのトラブルやリフォーム費用など、賃貸経営特有の負担が生じる
  • すぐにまとまった資金を得られるわけではなく、収入が積み上がるまで時間がかかる
  • 賃貸に適した間取り・立地でなければ実現が難しい

まとまった資金を今すぐ必要としている場合には不向きですが、継続的な収入源を確保したい場合には有効な選択肢です。

生命保険の契約者貸付制度

加入している生命保険に解約返戻金がある場合、その一部を担保に、保険会社から資金を借りられる「契約者貸付制度」を利用できることがあります。

メリット

  • 家を担保にする必要がなく、審査も比較的簡易
  • 契約している保険を解約せずに資金を確保できる

デメリット

  • 借りられる金額は解約返戻金の一定割合までに限られる
  • 利息が発生し、返済せずに放置すると保険が失効するリスクがある

家以外の資産を活用できる方法として、まず検討する価値がある選択肢です。

公的な貸付制度

一時的に生活資金が不足している場合は、自治体の社会福祉協議会が窓口となる「生活福祉資金貸付制度」など、公的な貸付制度を利用できる場合があります。低所得世帯や高齢者世帯、障害者世帯などを対象に、比較的低金利での貸付が用意されています。

家を担保にする必要がなく、条件に合致すれば安心して利用できる制度のため、資金使途や世帯状況によっては検討する価値があります。

カードローン・フリーローン(注意点付き)

即日〜数日で借り入れできるカードローンやフリーローンも、選択肢の一つとして挙げられます。ただし、無担保であることから金利が高めに設定されている商品が多く、あくまで一時的なつなぎ資金として、返済計画を明確にしたうえで利用することが重要です。長期的・継続的な資金不足の解決策としては不向きな点に注意しましょう。

リバースモーゲージと不動産担保ローンの違い比較

自宅を担保にして資金を調達する方法として「リバースモーゲージ」と「不動産担保ローン」がありますが、両者は仕組みや返済方法が大きく異なります。リバースモーゲージは主に高齢者の老後資金向けで、毎月の支払いは利息のみとし、契約者死亡後に自宅を売却して元金を一括返済する商品です。

一方、不動産担保ローンは年齢制限が緩やかで使途も広く、毎月元利均等で返済を進めます。それぞれの特徴を比較して選ぶことが重要です。

項目リバースモーゲージ不動産担保ローン
主な対象年齢60歳以上が中心年齢制限が緩やかな商品が多い
毎月の返済利息のみが一般的元金+利息の返済が一般的
融資限度額評価額の5〜8割程度商品による
総量規制対象外の商品が多い個人の場合、年収の3分の1が上限になることがある
資金の返済時期契約者の死亡後、自宅売却で一括返済契約期間中に分割返済

老後資金をゆっくり確保したいならリバースモーゲージ、現役世代でまとまった資金を計画的に返済したいなら不動産担保ローン、というのが基本的な選び方の目安です。

それでも資金が足りない場合の最終手段としての「リースバック」

上記の方法でも必要な資金を確保できない場合、最終手段として「リースバック」という選択肢もあります。リースバックは自宅を売却したうえで、家賃を支払いながら同じ家に住み続ける仕組みで、厳密には「売却」を伴う方法です。ただし、引っ越しをせずに済む点は、通常の売却とは大きく異なります。

「絶対に売りたくない」という場合はリバースモーゲージや不動産担保ローンを優先し、それでも資金が不足する、あるいは毎月の返済負担そのものを避けたいという場合に、リースバックも視野に入れて検討するとよいでしょう。

売らずに資金を作る際の注意点

  • 複数の金融機関・商品を比較し、金利や条件を確認する
  • 返済計画を具体的にシミュレーションし、無理のない借入額にとどめる
  • 家族に相談し、将来的な相続への影響についても話し合っておく
  • 契約内容(金利タイプ、融資限度額の見直し条件など)を細部まで確認する
  • 急いでいるからといって、金利の高い商品だけで判断しない

家を売らずに資金を得る方法は複数ありますが、いずれも借り入れである以上、返済の見通しを立てたうえで利用することが欠かせません。

資金調達シミュレーション例(評価額3,000万円の持ち家の場合)

実際にどのくらいの資金を確保できるのか、評価額3,000万円の持ち家を例にシミュレーションしてみましょう。

方法調達できる資金の目安毎月の負担
リバースモーゲージ約1,500万〜2,400万円(評価額の5〜8割)利息のみ(月数千円〜数万円程度)
不動産担保ローン年収による上限あり(総量規制の対象になる場合も)元金+利息(借入額・期間による)
生命保険の契約者貸付解約返戻金の一定割合まで利息のみ(返済しなければ保険が失効するリスク)
自宅の一部賃貸家賃収入として継続的に発生なし(むしろ収入が入る)

このように、方法によって調達できる金額の性質(一括か継続収入か)や、毎月の負担のかかり方が大きく異なります。あくまで目安であり、実際の金額は金融機関や商品、個人の年収・信用情報によって変動するため、複数の金融機関に相談して具体的な条件を確認しましょう。

ケース別|自分に合った方法の選び方

自宅を手放さずに資金を調達する方法にはいくつか種類があり、ご自身の年齢や収入状況、資金の使用目的によって最適なアプローチが異なります。無理のない返済計画を立て、大切な資産を有効活用するためには、それぞれの方法の特徴とご自身の生活スタイルを照らし合わせることが大切です。

ここでは、代表的な4つのケースを取り上げ、状況に応じた自分に合った資金調達手法の選び方とポイントについて詳しく解説します。

老後資金をゆっくり確保したい高齢者の場合

年金収入がメインとなり、生活費や医療費・介護費用などの老後資金に不安を感じている高齢者の方には「リバースモーゲージ」の活用が向いています。

自宅の所有権を維持したまま資産価値を担保に融資を受けられ、毎月の支払いは利息のみに抑えられるため、年金生活の中でも無理なく資金繰りを改善できます。元金の返済は契約者の死亡後に自宅を売却して一括清算する仕組みのため、毎月の返済負担を極力抑えながら、住み慣れた自宅で安心して過ごしたい場合に最適な選択肢となります。

現役世代でまとまった資金を計画的に返済したい場合

事業資金や子供の教育費、自宅の大規模リフォーム資金など、まとまったお金を確保したい現役世代の方には「不動産担保ローン」が適しています。無担保ローンに比べて低金利かつまとまった限度額を設定しやすく、返済期間も長く設定できる点が大きなメリットです。

定期的な収入がある間に毎月元利均等で着実に返済を進められるため、将来の返済スケジュールをしっかりと見通しながら、まとまった資金を効率的に調達したい場合に非常に有効な手段となります。

家を担保にしたくない場合

不動産を担保に入れることに抵抗感がある場合や、将来的な相続への影響を避けたい場合は、自宅を活用した融資以外の方法を優先的に検討しましょう。

例えば、加入している生命保険の解約返戻金を一時的に借り入れられる「契約者貸付制度」や、自治体が提供する「低所得者・高齢者向けの公的貸付制度」などが挙げられます。これらの方法は不動産を担保にする必要がなく、比較的金利も低く抑えられているため、心理的なハードルを下げて手軽に利用しやすいのが特徴です。

空いている部屋やスペースがある場合

今すぐにまとまった現金を確保する必要はなく、長期的に家計を支える継続的な収入源を作りたい場合は、自宅の一部を有効活用する「賃貸化」も検討する価値があります。

使っていない部屋をシェアハウスや下宿として貸し出すほか、庭や車庫の空きスペースを駐車場・バイク置き場として貸し出す方法などがあります。初期費用や管理の手間は多少かかりますが、不動産を手放すことなく毎月安定した不労所得を得られるため、長期的な家計の安定に大きく貢献します。

申し込みまでの一般的な流れ

リバースモーゲージや不動産担保ローンを利用する場合、一般的に次のような流れで進みます。

  1. 複数の金融機関に相談・仮審査を申し込む:条件や融資限度額の目安を比較する
  2. 担保となる不動産の評価を受ける:金融機関が自宅の評価額を算定する
  3. 本審査・契約手続きを進める:必要書類を提出し、契約内容を確認する
  4. 抵当権の設定登記を行う:担保として自宅に抵当権が設定される
  5. 融資実行:契約に基づき、資金を受け取る

商品によって必要書類や審査基準は異なるため、事前に金融機関の窓口やホームページで詳細を確認しておくとスムーズです。

資金調達前に確認しておきたいチェックリスト

  • 複数の金融機関・商品を比較し、金利や融資限度額を確認したか
  • 毎月の返済額を、将来の収入見通しも含めて無理なく支払えるか
  • 家族に相談し、将来的な相続への影響について話し合ったか
  • 変動金利の場合、金利上昇時の返済額増加リスクを理解しているか
  • 契約内容(融資限度額の見直し条件、資金使途の制限など)を細部まで確認したか

これらを確認しないまま契約を進めてしまうと、想定外の負担や後悔につながる可能性があります。時間の許す範囲で、一つずつ整理しながら検討しましょう。

よくある質問

Q. 家を売らずに、もっとも多くの資金を確保できる方法はどれですか?

A. 一般的には、家を担保にした「リバースモーゲージ」や「不動産担保ローン」が、まとまった資金を確保しやすい方法です。ただし融資限度額は評価額の5〜8割程度が目安となるため、複数の金融機関に相談し、条件を比較することをおすすめします。

Q. リバースモーゲージは何歳から利用できますか?

A. 金融機関によって異なりますが、60歳以上を対象とする商品が多く見られます。年齢制限がある点は、事前に各金融機関へ確認しましょう。

Q. 家を担保にせずに資金を作る方法はありますか?

A. 生命保険の契約者貸付制度や、自治体の公的な貸付制度など、家を担保にしない方法もあります。加入している保険の解約返戻金や、世帯の状況に応じて利用できる制度がないか確認してみましょう。

Q. 不動産担保ローンは、誰でも希望額を借りられますか?

A. いいえ。個人が自宅を担保にする場合、年収の3分の1を超える借り入れができない「総量規制」の対象になることがあります。希望額を借りられるかどうかは、事前に金融機関に確認しておきましょう。

Q. どうしても資金が足りない場合、最終手段は何ですか?

A. リバースモーゲージや不動産担保ローンでも資金が不足する場合は、自宅を売却したうえで家賃を払って住み続ける「リースバック」も選択肢になります。所有権は手放しますが、引っ越しをせずに済む点が特徴です。

Q. 家を売らずに資金を作る方法を選ぶとき、何を基準にすればいいですか?

A. 「毎月の返済負担に耐えられるか」「所有権を維持したいか」「資金をどのくらいの期間で必要としているか」を基準に考えるとよいでしょう。老後資金をゆっくり確保したいならリバースモーゲージ、まとまった資金を計画的に返済したいなら不動産担保ローンが向いています。

Q. リバースモーゲージと不動産担保ローン、審査に通りやすいのはどちらですか?

A. 一概にはいえませんが、リバースモーゲージは年齢制限がある一方で総量規制の対象外となる商品が多く、不動産担保ローンは年齢制限が緩やかな反面、個人の場合は年収の3分の1という総量規制がかかることがあります。それぞれの審査基準は金融機関によって異なるため、複数社に相談して確認するのが確実です。

Q. 自宅の一部を賃貸に出す場合、リフォーム費用はどのくらいかかりますか?

A. 間取りや設備の状態によって大きく異なりますが、簡易な間仕切りや水回りの追加工事だけでも数十万〜数百万円程度かかることがあります。賃貸経営の収支を試算する際は、リフォーム費用も含めた回収計画を立てておくことが重要です。

Q. 生命保険の契約者貸付を利用すると、保険の保障はどうなりますか?

A. 契約者貸付を利用しても、保障自体はそのまま継続されます。ただし、借入残高(利息を含む)が解約返戻金を上回ってしまうと、保険が失効するリスクがあるため、返済状況には注意が必要です。

まとめ

家を売りたくないけれどお金が必要な場合、リバースモーゲージや不動産担保ローンをはじめ、自宅の一部賃貸、生命保険の契約者貸付、公的な貸付制度など、複数の選択肢があります。

  • 老後資金をゆっくり確保したいなら「リバースモーゲージ」
  • まとまった資金を計画的に返済したいなら「不動産担保ローン」
  • 家を担保にしたくないなら「生命保険の契約者貸付」や「公的貸付制度」

それでも資金が不足する場合は、最終手段として「リースバック」も選択肢に入ります。いずれの方法も借り入れである以上、金利や返済計画をしっかり比較し、無理のない範囲で利用することが大切です。複数の金融機関や制度を比較検討しながら、自分の状況に合った方法を見つけていきましょう。

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この記事を書いた人

JAY|リースバック・不動産売却の専門家。
不動産売買会社で3年間マーケティング職として勤務し、土地活用・土地売買・事業用不動産など幅広い案件を担当。

当サイトでは、不動産業界での実務経験を活かし、リースバックをはじめとした不動産に関する情報をわかりやすくお届けします。

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